1. 寄付をするということ
寄付をするということは、自分のお金の使い道を、誰かのために選ぶことでもあります。自分の暮らしや家族、明日のために使うこともできたお金を、まだ会ったことのない誰かのために使いたいと思う。その気持ちから始まる寄付もあります。
同じ金額でも、その人にとっての重さは同じではありません。毎日の暮らしの中から少しずつ用意したお金も、無理のない範囲で差し出すお金も、それぞれの事情と思いがあります。寄付の価値を、金額の大小だけで測りたくありません。
お金を払うことには、支えること、賛同すること、応援すること、そして「この活動を続けてほしい」という意思を示すこと、いわば一票を投じるような意味もあります。だからこそ、寄付する人が「どこへ託すのか」を知りたくなることは、ごく自然なことだと考えています。
大切なお金だからこそ、納得して託せるように。
寄付をためらう理由が「応援したい気持ちがないから」ではなく、「調べてもよくわからないから」だとしたら。その距離を少しでも縮めたいと思っています。
2. なぜ「寄付する?」をつくるのか
寄付金が、どこで、誰によって、何のために使われているのか。支援を受ける人にどのようにつながっているのか。知ろうとすると、団体ごとに違う場所に情報があり、報告書の中に埋もれていたり、年ごとに分かれていたりします。
公開されている情報でも、普通の利用者が短い時間で見つけられるとは限りません。特に小さな団体は、情報があっても、きれいに整理されたウェブサイトを持てないことがあります。反対に、見やすいウェブサイトだからといって、その活動が必ずよいというわけでもありません。
「寄付する?」は、各団体が公式に公開している資料を共通の視点で調べ、情報と出典を並べるための場所です。検索で見つけやすい団体だけをよい団体と決めず、知名度や印象よりも、資料に何が書かれているかを大切にします。
掲載する団体を、情報公開の充実度や「優良そうかどうか」で選別しません。決算資料が見つからない、活動報告が少ない、ホームページが簡素であるといった理由だけで掲載対象から外すと、比較する前に私たちが寄付先を選んでしまうからです。規模や知名度にかかわらず、海外支援に関わる団体を広く見つけ、同じ基準で調べます。
掲載のための基本確認と、公開情報の判定は別の作業です。団体を識別できること、海外支援に関わる活動、情報の出典、既存団体との重複などは確認します。しかし5項目がすべて確認できることを掲載の条件にはしません。公式の寄付先を確かめられない場合も、URLを推測して案内することはありません。
寄付金をこのサイトで預かったり、集めたりはしません。寄付を希望する場合は、確認できた各団体の公式な案内へ進んでいただきます。
3. このサイトがしないこと
私たちは、優良団体の認定、寄付先の安全性や活動効果の保証、団体の善し悪しを決める総合得点づけを行いません。支援のかたちや寄付先の正解は一つではないからです。
現地スタッフが直接活動すること、地域の団体と協力すること、食料を届けること、現金を渡すこと。それぞれに必要とされる場面があります。一律の優劣をつけず、どういう仕組みで支援が行われるのかを見せます。
✅が多い団体を「効果が高い団体」とは呼びません。?がある団体を「信頼できない団体」とも呼びません。私たちが示すのは、一定の調査範囲で公開情報をどこまで確認できたか、という結果です。
4. 比較する5つの情報
5項目は団体の点数表ではなく、寄付する人が知りたいことを五つの方向から探すための窓口です。項目によって見せ方も違います。
| 項目 | 何を確認するか |
|---|---|
| 団体の会計 | 対象期間がわかり、収入総額・支出総額を公式資料から確認できるか。金額の大小や黒字・赤字そのものを優劣として扱いません。 |
| 現地支援への使い道 | 何の支援にお金を使っているか、具体的な使途が説明されているか。教育、医療、食事、施設、現地スタッフの人件費、現金給付なども対象。活動ごとの金額まで必須とはしません。 |
| 成果・実績 | 実際に行った支援の具体例や実績が確認できるか。人数・件数などの数字に限らず、実施済みの具体的な活動も対象。科学的な因果効果の立証を要求するものではありません。 |
| 現地での実施体制 | 誰が現地で、どんな形で活動を実施するか。「現地・活動」「協力・活動」などの二要素で表示し、確認記号による点数にはしません。 |
| 現地とのかかわり | 住民、現地スタッフ、協力団体などと、実際にどう関係し、共同で取り組んでいるか。単に現地に拠点があるという事実だけでは決めません。 |
現地支援への使い道では、海外への送金、国内で支払う海外事業関連費、現地での支出、受益者が直接受け取る金額を混同しません。それぞれ意味が異なります。複数の数字を二重に足し合わせることもしません。
成果や活動方式は、団体全体で確認できる情報と、個別活動で確認できる情報を区別します。団体全体の数字を、根拠なく特定の活動へ割り当てません。
5. ✅・◐・?・ーと会計年度の意味
✅ 確認は、該当項目の基準を満たす情報を、団体の公式公開資料で確認できたこと。◐ 一部確認は、関連情報はあるものの、必要な具体性などを一部確認できなかったこと。? 確認できずは、今回の調査範囲では判定に必要な情報を確認できなかったことを表します。
「?」は「非公開」「活動していない」「問題がある」のいずれとも同義ではありません。まだ調べていない項目は「ー 未調査」で示し、「?」とは区別します。団体が明示的に非公開としている場合は、詳細な根拠・備考で区別します。該当しない項目も、確認できればその旨を説明します。
会計欄の「2025」などの数字は、収入・支出を確認できた決算の対象年度です。資料を見つけた年、閲覧した日、ウェブサイトの更新日から推測しません。収入・支出の片方しか確認できなければ◐とし、詳細に確認年度と不足している情報を記載します。年度が特定できない場合は、推測した年を表示しません。
2025年度と2024年度は、決算期や公表時期が団体によって異なります。そのため、年度が新しいから自動的に高く評価することはしません。会計が確認済みなら、表示順の計算では年度に関係なく✅一件相当として扱います。
6. 現地での実施体制と、活動のかたち
実施体制は、前半の「誰が現地で実施するか」と、後半の「どんな方法で支援するか」を一組で表示します。現地は団体自身の現地スタッフ等が継続的に実施する形、協力は別の現地団体と連携して実施する形、訪問は主に外部から現地を訪れて実施する形を指します。
後半の活動は教育・医療・暮らしの支援など継続的な働きかけ、配布は食料・物資等の配布、現金は現金給付を指します。配布と現金のどちらが優れているかは決めません。
現地・活動は協力・活動より必ずしも効果が高いわけではありません。現地パートナーが主体となる活動には、地域の自立や意思決定を尊重する強みもあります。実際には一つの団体が複数の方法を組み合わせるため、比較表には代表的な一組を表示し、違いは根拠・備考に記載します。
下の活動検索では「現地直接活動型」「現地パートナー協同型」「現金給付型」などから個別活動を探せます。実施主体と支援手段は厳密には別の軸なので、一つの活動が複数の特徴を併せ持つ場合もあります。団体の代表方式と、個別活動の方式は混同しません。
7. 私たちの調査手順と範囲
各団体を調べる際は、原則として公式サイトを起点に、同じ順番で一次調査を行います。検索結果の上位だけを見て結論を出さないための手順です。
- 公式トップ:団体の公式サイトと、情報公開への入口を確認する。
- 年次報告・決算:公開された対象年度、収入、支出、活動概要を確認する。
- 個別活動:代表的な事業の内容、実施済みの支援、具体例を調べる。
- 現地体制:現地スタッフ、拠点、協力先、実施主体を調べる。
- ニュースレター・活動記事:報告書だけでは読み取りにくい実態を補う。
- 5項目の再照合:資料に記載された事実と判定の理由を照らし合わせる。
団体を幅広く発見して基本情報を確認する段階と、各団体の5項目を同じ手順で詳しく調べる段階を分けます。未調査と、実際に調査したが確認できなかったことは別です。未調査を「?」という調査結果として扱ったり、単に調査が後になった団体を情報公開が乏しい団体とみなしたりしません。各項目の調査状況と根拠を区別して管理します。
団体数を増やすこと自体が目的ではありませんが、最初から公開資料の多い団体だけに偏らないよう、追加対象は一定のまとまりで広く探します。活動数も団体ごとに機械的に揃えず、確認できた実際の活動だけを紹介します。
これは無制限に全ページを読み尽くす調査ではありません。直近の報告書と代表的な活動資料など、対象を区切った一次調査です。そのため、深い階層にある情報や別の文書にある情報を見落とす可能性があります。
団体ごとの「各団体の根拠・備考」には、確認した資料の出典URL、年度、調査範囲、確認できた事実、確認できなかったこと、判定の理由を記載する方針です。見つからなかったことと、団体が情報を公開していないことを同一視しません。
8. なぜAIを調査に使うのか
調査・整理・判定にAIを使う大きな理由は、手間を減らすためだけではありません。人間の好みや付き合い、知名度、ウェブサイトの印象、特定団体への感情によって、判定を有利にも不利にも動かす余地を減らすためです。
ただし、AIだから中立で、いつでも正確だとは考えていません。検索結果の偏り、読み取れないPDF、表の読み違い、同じ文章の解釈の揺れ、過去に確認した根拠を取りこぼすことがあります。
公平性を支えるのは、AIという名前ではなく、共通の調査順序、明確な判定基準、元資料へのリンク、見落としの訂正です。AIが下した結論も、根拠と照らして見直せるようにします。出典なしの推測を事実として掲載しないこと、確認できた資料を理由なく捨てないことを重視します。
ここでいう公平とは、すべての公開情報を必ず発見できるという約束ではありません。何を、どの範囲で、どの基準で調べたかを説明できること。そして同じ条件の資料に、同じ判断を適用することです。
9. 一覧の表示順について
比較表の上の方は自然と目に入りやすくなります。そのため、表示順も無作為に決めるのではなく、公開情報を確認できた数を優先する方針にしました。ただし、これは寄付先の価値、信頼性、活動成果のランキングではありません。
- 会計・使い道・成果実績・現地とのかかわりの✅確認数が多い順。
- 同数なら、◐一部確認数が多い順。
- 同条件なら現地 → 協力 → 訪問の順。
- さらに同条件なら活動 → 配布=現金の順。
- その後、1万円の使い道が具体的に説明されている順(単発寄付・月額寄付・旧資料・計算上の試算を区別)。
- それでも同条件で、円建ての年間支出が確認できる場合は、年間支出に対する1万円の割合が大きい順(異なる通貨を推測換算しない)。
- 最後まで同条件なら団体名順。
会計年度の新しさに加点はしません。現地・協力・訪問の順番は編集上の見せ方であり、協力型や訪問型の支援が劣っているという意味ではありません。特定団体を上位にするため、個別に並び順を調整することはしません。
折りたたみの+/-は表示列の開閉だけで、検索条件や並び順を変えません。 この順番には編集上の選択が含まれます。だからこそ、隠さず公開します。順位を見て寄付先を決めるのではなく、見つかった団体の根拠と活動を確かめる入口として利用していただきたいと考えています。
10. 団体を探すことと、活動を探すこと
上の比較表は「どの団体が、どんな公開情報を示しているか」を見る場所です。下の活動検索は「どのような活動を応援したいか」から探す場所です。団体を知ってから活動を見る人も、活動に関心を持ってから団体を知る人もいます。
5項目のチェックは上下で連動します。上下で同じ公開情報の条件を共有しながら、キーワード、活動、団体、活動のかたちは個別に検索できます。上の団体検索のキーワードや選択を、そのまま下の活動検索へ強制的に引き継ぐことはしません。
活動検索で会計にチェックを付ける場合、それは「会計が確認できた団体の活動」を探す意味であり、その活動単体の費用を確認したことを意味しません。団体全体と個別事業の情報は区別します。
11. 情報の追加・訂正・更新
公開資料が増えることも、前には気づかなかった資料が見つかることもあります。そのときは、資料の内容を同じ基準で再確認し、必要なら判定や説明を更新します。以前の判定を変更する場合は、どの根拠によって変わったかがわかることが大切です。
資料の新しさと、当サイトで最後に確認した日は別です。たとえば「2024年度の決算を2026年に確認した」なら、会計欄に示すのは決算の対象年度です。新しい年度の資料が未公開であるだけで、以前確認した会計資料を無効にはしません。
継続的な調査や更新の自動化は検討することがありますが、現時点で実施していない自動監視や定期更新を、実施済みとは表示しません。実際に確認した事実、確認日、運用状況を優先します。
12. 支援団体のみなさまへ
情報公開のために、立派な冊子や複雑なシステムが必要だとは考えていません。団体の規模や人員はさまざまです。活動内容、収入と支出、お金の主な使い道、具体的な実績、現地で誰とどのように取り組んでいるか。その説明が公式サイトからたどれれば、確認の手がかりになります。
短いテキストのページでも構いません。すでにある報告書へのリンクでも構いません。トップページなどから見つけられるようにしていただけると、寄付を考える人に届きやすくなります。
完璧な情報公開より、まずは活動をひらくこと。
情報が見つからない場合も、それだけで活動を否定しません。追加の公式資料が示されたら、他団体と同じ基準で確認します。団体との関係や個別の事情によって、判定を特別扱いすることはしません。
13. 寄付を考えるみなさまへ
寄付をするかどうかも、どの団体へ託すかも、決めるのはあなたです。すぐに寄付しなくても構いません。気になった団体の公式サイトを読み、活動報告を見ることも、判断するための大切な一歩です。
確認できた情報が多い団体だけが、大切な活動をしているわけではありません。数字に表れにくい取り組みや、時間のかかる成果もあります。比較表の記号だけでなく、個別活動の内容と根拠をあわせて見ていただけたらと思います。
誰かのために使いたいと思ったお金が、望んだ形で役立ってほしい。その願いを大切にするからこそ、私たちは調査の正確性にも、調査の限界を説明することにも向き合います。
14. 情報を整理する私たちの説明責任
支援団体に活動やお金の使い道を明らかにしてほしいと願うなら、情報を並べる側も、どんな考え方と手順で調べているかを明らかにする必要があります。
私たちの表示は、公式資料そのものではありません。資料を探し、読み取り、共通項目へ整理した結果です。そこには見落としや解釈が入り得ます。だから、可能な限り元資料へたどれるようにし、調査した範囲と判定の理由を残します。
寄付する人には、判断するための情報を。支援団体には、活動を正しく知ってもらう機会を。情報を整理する私たちには、自分たちの調べ方を説明する責任を。
寄付団体に情報をひらくことを求めるなら、私たち自身も、調べ方と判断をひらく。
大切なお金を誰かに託したいという思いに、見せかけの順位ではなく、確かめられる情報で応えたいと考えています。
情報をひらく。判断はあなた。